やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

出戻りなっちゃん

ああもう帰ったと思ったのに。どしたのこんな時間に。あそう。へー。さみしいの。ふーん。で、いつまでいるの。いや、たしかに行っちゃってさみしいなあとは思ったけどさ、こっちも慣れたし。そんなもんよ。ほら、毛布も出しちゃったしさあ。ちょっとねえ調子が狂うから、もう行ってくれるととありがたいなあって。ね、夏っちゃん。

 

うめざわ

※夜になって突発的アイス欲求。私は大人だからモナカのと、カップのとふたつ買って、ふたつ開ける。私は大人だから、この時間に食べるとよくないのを知ってるからふたつとも半分残す。私は大人だから糖質オフのアイスを買う。

未熟さゆえに

若さとか無知とか未熟さとか、
それはなくなりゆくものだから。
だからこそ、いっときは武器になるけれど、
だからこそ、後生大事にしてはいけない。

うつろってゆく自分の属性は、
自分そのものではない。
初々しさ、たどたどしさ、愛らしさ、
健気さ、不器用さ、
そういう未熟さゆえの魅力は
ハンデみたいなもんだと思う。
弱いから、一時的に与えられてるだけで。

成熟してゆかないとつまらんよ。
自分で熟れさせてゆかないと。

 

うめざわ

※「発酵」というワードがとある界隈では最近流行りなようで。

謎床: 思考が発酵する編集術

おツメさまに祈りを

ツメがないと、人間のホールド力は皆無になるらしい。
指先には骨がないから、支えのない肉塊。
ぎいい。ぎいい。

なんでこんなことを言っているかというとね、
ツメを切ったからよ。
ツメきったってあーた、ぱちんぱちんとちゃいまっせ。
ざっくりすぱんと切ったんでっせ。
真っ赤な鮮血じゃーじゃーですよ。
まず親指のツメをスライサーで縦にすぱん。いてえ。
そこをかばって包丁でにんじん切ってたら、右手の人差し指のツメざくり。
イメージとしては、ささがきごぼうね。あんなかんじでツメをじゃっ。
いってえ。わりといてえ。

ばんそうこうでぐるぐる巻きにしたけど、
あのね、第一関節より先を使わないで、
指を使うのって不可能なのね。
やってみたらいい。無理だから。
ツメをやられただけで、指すべてが使い物にならなくなる。
ツメ、偉大でした。はやくはえて。

 

うめざわ

※いもくりなんきん、でんぷんがあまいのって原始的な喜びがあるよね。そして、いもタコじゃなくて、クリとしたい。タコはあわないよ。

柿が乾かない

渋柿をもらう。皮をむいて、軒先に吊るして、乾かあああああああああ今日雨じゃないかああああああ

 

うめざわ

※栗も拾ってきた。ぷっくりつやつやぴっかぴか。光を反射するほどの立派な栗たち。その名も銀寄。麗しい。

地を殺す

土地が殺されてゆくのを見ている。
窓から見える青々とした畑。
ある日突然、緑が半減。
次の日見たら、真っ茶色。
しばらくしたら、灰色の侵略。


うめざわ

※朝早うから、苗がどうや種がどうやって声が飛び交ってた共同農園でした。いまや。ていうか関係ないけど奥歯が折れた。どうして。

バリアの呪文は「ハナシカケルナ」

バリアは張れる。

小学生のとき、バリア!って遊んでたじゃない。
鬼ごっことかでタッチされても効かないの。
胸の前で手首クロスさせてさ。

大人になってから、バリア意外と簡単に張れることに気づく。
呪文は簡単。
「ハナシカケルナ」
この呪文を10回くらい黙って唱えるだけ。
そうすると、自分のまわりにかたい空気の膜ができる。

ただ初心者のうちは、すぐに消える。
顔がゆるんだらすぐ効果なくなるからね。
なかなか持続は難しい。

けども、バリア職人は違う。
物心ついたときから、呪文唱えてたからね。
カナヅチでも割れない空気のかたさ。
一般人には破れないし、
なんなら職人自身もそのバリアから出られない。

自分を守るために作ったバリアのなかで、
身動きが取れなくなってるわけ。
だから、そこから動こうとするとバリアごと動くしかないんだ。

鋼鉄のバリアが突進してくるわけだから、
ぶつかった人は大怪我だ。
バリアも傷が入るわな。

そうなったときに、バリアの亀裂から顔だして、
「ごめんなさい!だいじょうぶですか?」
って言えたら脱皮できるんだろうけど、
まずそうはならなくて
「オレのバリアをどうしてくれるんだ」
って怒り散らすからずっとバリアのなかの人。

 

うめざわ

※なんかこの満月にあてられてる気がする。気のせいだろうが。こわいくらい完璧だ