やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

レッドブルじゃ風邪は治らない

たとえば、あなたはとつぜん具合が悪くなった。どうも熱があるようだってなった場合、どうするか考えよう。
 
具合悪いから、その不快感を除きたい。
そうなったときの選択肢はふたつだよね。
 
ひとつは、熱を下げるよう心がける。暑いけど、布団に入って寝るとかさ、水飲むとか、薬飲むとか。
つまり、時間をかけて、根本治療をする。
 
風邪程度だったら、多くの人がこうするのだろうけど、でも、対処法はたぶんもうひとつある。
 
それは、熱があることに気付かないようにするってことなんだよな。
とりあえずレッドブルで具合の悪さをカモフラージュして仕事する!とか。
こっちは、問題に布をかぶせて、見えなくするだけね。
 
どっちがいいか?
 
こういう単純な話にすると、「おいおい風邪治してから働けよw」ってなるんだけど、なんかもう少しややこしいことになると、人は誰かにレッドブル飲ませようとすること結構あるよ。薬じゃなくてね。
 
たとえば、いまあなたが大学1回生に、学生生活しんどいですやめたいですって相談されたとしようや。もうつらくて無理言われてもさ、たいがいの人は、「そのうち慣れるから、それまで
がんばれ」って言うと思うのだけど、それってどうなのかなって思うわけ。
 
慣れるまで我慢しろっていうのはさ、たとえば、熱いお風呂に入ったときとかは一瞬熱い。でも、1分もしたらもう慣れて、気持ち良くなる。
新しい環境に入るとき、そういう反応をする人もいる。それなら、慣れたら楽しくなるわ。
 
でもさ、同じお風呂に入ったとしてもさ、その人は入る瞬間に足を湯船のへりにぶつけて小指折ってるかもしれないじゃない。
骨折れてたらさ、いくら時間たっても痛いよ?
ほっといたら、ますます腫れてくるよ?
 
小指の骨くらいなら自然治癒するのかもしれないけど、たとえば太ももの骨とか折ってたらさ、治りようがないんじゃない?
その痛みは、1日たとうが、1年たとうが、慣れて楽になることはないんじゃないの?
 
慣れるまで我慢しろっていうことが正しい場合ももちろんある。
けど、我慢なんかしないで、さっさとその場から離れて病院行った方がいい場合もある。
 
前者がレッドブル対応で、後者が薬対応ね。
(あ、レッドブルというものは、疲労を回復させるのではなく、疲労を感じなくなるようにさせるものだと考えて言ってます。違ったら教えてください。)
 
 
なんだかな…
骨折れて、もう3年ですって人に、あもう3年も経ってるんだから痛いの慣れたでしょ?ってやっぱりおかしいわけよ。
即座に病院連れていこうよ。ほんと。
 
そして疲れ果てたあなたは、もういい加減レッドブル飲んで体を麻痺させるのはやめて、薬飲んでしばらく寝て。風邪は頑張ったって治らん。休んで治すものだ。
 
うめざわ
※今日駅に向かって、白い四角いものくわえながら走ってるおじさんがいて、「これはフィクションの世界にしか存在しないはずの、食パンをくわえながら遅刻遅刻!と慌てながら走る(そして道を曲がったところで、出会い頭に転校生の男の子とぶつかる)あの食パン少女のおじさん版か!?」と衝撃を受けたわけですが、二度見したら、ポケットティッシュでした。チッ。