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やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

ひとは街の一部だから

わかった、確実にすこしわかった。

あの方が亡くなってから抱えていたどうしようもないさっきの感情の理由がわかった。

 

ひとことで言うと、

人っていうのは街の一部だから、だ。

 

その方は、地元の市議会議員さんでした。

私は、池田市の石橋というところにずっといるのだけれども、

石橋の議員さんといえば、私の知る限りその方だったのだよ。

 

私は石橋がすきだすきだとほうぼうで言うけれど、

そこでいう「石橋」っていうのには、いろんな要素が含まれるわけ。

 

日本が好き、って一言で言ってもさ、

食べものが好き、気候が好き、人が好き、歴史が好き、景色が好き、

いろいろあるじゃない、それといっしょ。

 

私にとっての石橋には、

古き良き、としかいいようのない商店街とか、

狭い路地に密集する居酒屋とか、

は確かに欠かせないのだけれども、それだけじゃない。

 

やっぱりいちばん大きいのは、

そこで生きるひとなつっこいひとたちなのです。

 

あのごちゃごちゃした街がそのままでも、

そこで暮らすひとたちがごっそり入れ替わっちゃったら、

もうそこは私のすきな街ではない。

 

要は、私が好きだと言い続けている石橋には、

それを構成するひとたちがいて、

そこには、たしかにややこしくてうっとおしいひととかもいるけどさ、

それでも、それは私のすきな石橋のいちぶなのです。

 

で、間違いなく、亡くなった方は、私の石橋のいちぶだったのだ。

それは、いなくなってから、気づいたんだけど。

 

なんだかんだ言っても、名物おじさんだったと思うしね。

これからは、あの方のいない石橋しかないんだ、と思うと、

やっぱり、どうしたってさみしいや。

 

※わたしも、街のいちぶになりたい