やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

とっさのひとことは、なかなか愉快だ

つい先日、ひさしぶりに熱を出しまして。

どうしたもんかなあと思い、まあ、近況報告もかねて、知り合いの医学部生に電話したんですわ。なんや風邪っぽいんだが、どうしようって。
そしたら開口一番言われました。
 
「なんで!?!?」
 
……いやいやいや、知らんがな。
 
たとえば、前歯2本だけ折ったとか、体の右半分だけ打ち身とかなら、それどないしてん!?ってなるのはわかるけどもさ、ふつうの風邪ですやん。
 
たしかにちょっと季節はずれだけども、助けを求めていったら、謎がられるというのもなかなか新鮮でありました。
 
そりゃあ医学部で学ぶみなさまが、人はどうして病気にかかるのか、日夜血のにじむような努力をして研究に励んでおられるのは存じておりますが、具合悪いひとを目のまえにして、瞬間的に「なんで!?」が出てくるほどだとは思いもよりませんでした。勉強、ようがんばってんねんな。おかあちゃんそれはようわかった。ええからな、この調子でいいお医者様になるんやで…
 
 
 
なかなかに笑ったできごとでありました。
とっさのひとことってのは、ふだん考えてることがそのまま出ちゃいますからね。
 
ああ、こんなんを思い出した、
とあるお方が、知り合いに連れていかれたSMクラブで手にろうそく垂らされたの忘れて家に帰り、奥様に問いただされて「ちょっと電車で…」と口走り余計ややこしいことになったっていう逸話。口紅じゃあないんだから電車て。
 
こういうこと考えてたら、
とっさに何が口から出てこようとも、なるべく恥ずかしくないようなひとでありたい、と思
 
ったけど、それはちょっとむずかしそうだから、せめて変なものが飛び出しても笑ってネタにできるくらいの器をもとうと思いました。
 
 
うめざわ
※トイレで並んでて、この個室あいてますよ、ってことを伝えようとして、ぱっと列を見たら先頭に外国の人がいて、とっさに「イエース!」と満面の笑みで言いながら個室ほうに手をやった、っていうエピソードもなかなか。どこで読んだんだっけ…
(追記:たぶん川上未映子のエッセイだったと思いだした)