iTasteはいつになってもできないやろな
ネットを使ってさ、味見できる日はくるのかなあってちょっと考えてるのよね。
こう、たとえば、iTasteみたいなアプリ立ち上げてさ、
サムネイルで、こう、メニューがざーっと並んでるわけよ。
なんちゃらパン屋のサンドイッチ、
かんちゃらホテルのオムレツ、
ほにゃらら軒のラーメン、
みたいなもんを見てさ、じゃあラーメン、とか選んでさ、
口にマウスピースみたいなもん入れたら、
あーら不思議!ラーメンがあなたのお口に!
……なんてことは、ぜったいなさそうだなあって思うのよね。
味覚情報ってのは、最後までアナログのまま残るものなんじゃないかなって。それおもしろいなあって。
文字も写真はとっくにデジタルになってるでしょ、
音楽もダウンロードだよね、
映画とかだってデータでやりとりできるよねえ。
いまは、遠隔操作のロボットでちゃんと触覚とか感じることができるみたいだし(阪大の石黒先生がアンドロイド研究でやってた気がする)
五感のなかで、デジタル処理ができてないのは、匂いと味くらいだよね?
(不勉強だから、もしできてたら教えてほしい)
匂いはさ、なんか数値化できそうな気がするじゃない?(ごめんなんとなくね)
でもさ、味はさ、機械じゃ測れないよなあ。
ワインとかもね、あれだけソムリエが必要なんは、機械じゃやっぱりわからないことがたくさんあるからなんだと。
(田崎真也の本に書いてあった。たぶん)
液体ですらそうなんだからさ、まして、食感がそれぞれ異なる固形物(っていうとなんかまずそうだけど、ふつうの料理よね)は、それをデジタル化するのはどうやったって無理よなあ。
(素人考えでね、素朴にそう思う)
映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作『チョコレート工場の秘密』を小学生のときに読んでさ、ほとんど素直にいいなあああ!って思ってたけど、ひとつだけ意味わからんのがあってさ。
最後のほうに、フルコースが味わえるチューインガムを噛むシーンがあるのよ。
たしか、登場人物は、付け合わせのポテトからステーキまでちゃんと味わってた気がするんだけど、あーれだけはなあ、ぜんっぜん魅力的じゃなかった。
それこそ味気ないじゃん。
ガムだけでフルコースなんて。
あれを思い出してもさ、やっぱり食べるってことは、舌先だけじゃなくてさ、手も目も口も使う行為なんだなと思うんだよね。
これから、どれだけ情報化が進んで、どれだけ便利な社会になっても、そこでしか食べられないおいしいもんがある限り、人々はちゃんと身体を移動させるだろうなって思った。
そしたらなんか、人間ってかわいいなって思えた。
うめざわ
※石橋プチ情報:石橋商店街の一番阪大側のとこにあるスエヒロさんというお肉屋さんのコロッケはおいしいなー。その場で揚げてもらえます。ふつうのもあるけど、やっぱりここはイベリコ豚のコロッケですよ奥さん。
※スエヒロさんとこも冷凍コロッケの通販やってるみたいだけど、目の前でおばちゃんに揚げてもらうやつは、そこでしか味わえないよやっぱり。いまここでしか得られないものって、どんどん減っていくのだけど、味の一回性だけはずっと保たれるとおもうなー