やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

努力でアレルギーが治るかいな

世の中であたりまえとされていることができない人に対して、
私たちは「努力」を強いるのだけれども、
人間の力でどうにかならないことって結構あることを腹に落とし込んだほうがいい気がする。
 
小学校のときに同じクラスにいたのよ。
授業中、どうしても歩きまわったり、机に油性ペンで落書きをし続けたりした男の子。
6年間一言もしゃべらず、給食も食べなかった女の子。
 
彼らに対して同世代の私たちも、ちゃんとできないあの子たちはおかしいって思ってたし、
先生も叱ることはあった。
きっと、我慢が足りない、馴染もうとする努力がないっていうことを言いたかったんだろう。
 
けどさーあ。いまなら思うよ。
たぶん、彼と彼女には、どうしようもなかったんだろうなあって。
 
発達障害とか学習障害とか自閉症とかそういうのが、まだあんまり認知されてなかったんだろうけど、たぶん、ふたりは何かしらの障害、もしくは病気を抱えていた可能性はあるなって、今なら思う。
 
たとえばさ、牛乳を飲むとお腹が痛くなる子がさ、牛乳飲みたくないのはあたりまえじゃない。
それを、牛乳を飲め、我慢しろ、苦手は克服しろって、迫るのは暴力だよなあって。
アレルギーは、努力じゃ治せないよ?
 
好き嫌いとか、甘えとか我慢とか、そういう問題じゃなくて、人にはできることとできないことがあるんだって。
わかったほうがいい。
 
小学校までだけの話じゃないよ。
いまでもそうだ。
 
私はたまに、学校に行けなくなったり、外へ出られなくなったり、起きられなくなったりするのだけれど、
それは甘えとかサボってるとか、そういうことではないのだよ。
 
つい、この前もあった。どーしても学校に行けなくて、すーっごいしんどかったこと。
 
だって、すっごく出たい授業あるのに、どうしても家から出られなくて、行こうとするけど動けなくて、
学校にいく時間過ぎると、ああ今日は行けないもうだめだ、
授業始まる時間になると、ああ始まった聞きたい話だったのに、
終わってからだって、この授業だけは出るって決めてたのにそれさえ行けない自分は最悪だ…って、めっちゃくっちゃ悶々としてるからね。
 
でも、はたから見たら、ただ家でぼーっとしてるだけ、さぼってるだけの学生。また学校休んだの?って言われる。
 
つらいなあと思う。
できれば、できれば、理解してほしいなと思う。
 
アレルギーで卵を食べないこととか、
骨折してるから、マラソン大会に出ないということが甘えではないのと同じように、
私に似たような理由で動けなかったりする人も、決して甘えているわけではないってこと。
 
努力で解決するなら、なんぼでも努力するよ。
それじゃ無理だから、困ってるんだって。
 
まわりにあまり理解されずに、ただの甘えでしょって思われて苦しんでる人、たぶん、たっくさんいるんだろうけどな。
 
とにかく、あれです、
自分があたりまえだと思っちゃだめだってことは何度言い聞かせても足りないくらい大事なことで、
自分の価値観を押し付けていないか、って常に確認するのは、しすぎてもしすぎることがないくらい必要なことだ。
(なんか直訳っぽくなった)
 
うめざわ
※もっかい言う。骨折れた?そんなのほっとけ気合でなおせ!ってのがおかしいように、こころが折れたら、ちゃんと手当てしないといけない。折れてるけどまだ足あるよね?歩けるよね?みたいなことは、無茶です無理ですやめてください。他人に、そして特に自分にも、言ってないか思ってないか確認すべし。私はまだまだ自分にも周りにも無茶を強いることがある。