やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

理想の恋愛、教えてください

いやね、このまえ仲間たちと、ひょんなことからこういう話題になったのさ。

小説とか漫画とかで、自分がすきな恋愛模様はなにか、みたいなことをね。
 
 
みんなから出てきたのは、
小説『たそがれ清兵衛』のなかの夫婦関係とか、
漫画『娚の一生』のつぐみと海江田先生とか、

漫画『フルーツバスケット』のはつはるといすずとか、

おお、そこがすきなのね!ってポイントがあたりまえだけど、みんなちがって面白かった。
 
私は、吉本ばなな「キッチン」の続編、「満月 キッチン2」のみかげと雄一だなあ。
って言った瞬間に、「へっ!?」ってすごい顔した友だちがいて、

そもそもあれは恋愛なのかという疑問から、みかげに主体性がなさすぎるから嫌だという意見からいろいろありましたが、

それでも私は、
地獄のカマをふたりで覗き込んで、ふたりとも不安で怖いのに、ふたりが絶対手をつながない、自分で立とうとする、あれがいいんだよ!って言い張ったけど、共感はぜんぜん得られませんでした。いいもん。
あれこそがとても誠実な愛であると私は思うぞよ…
 
てことで、ここ読んでる方の「私にとっての理想はこれ!」ってやつを私は知りたい。映画でも小説でも漫画でもいいから何かある人は、コメント欄かfacebookのコメントにぜひどうぞ。
できれば、ここがいいのよ!!って解説つきで♪
(こうやって軽く呼びかける文言の裏には、ああ反応なかったたどうしよう、ううでも聞きたいし、ぎゃーもー誰も反応してくれなかったらすっごいへこむけど、それでも…!!ていう思いがあるので、それを察してね(はぁと))
みんなどんなんがすきなんだろー知りたいなー知りたいなー!
 
うめざわ
※『キッチン』は、最近改めて読んで、やっぱりいいなあと思ったよ。
読ませたかったとこだけ、ちょっと長いけど引用しとく。(以下引用)
 
……私と雄一は、時折漆黒の闇の中で細いはしごの高みに登りつめて、一緒に地獄のカマをのぞき込むことがある。目まいがするほどの熱気を顔に受けて、真っ赤に泡立つ火の海が煮えたぎっているのを見つめる。となりにいるのは確かに、この世の誰よりも近い、かけがえのない友達なのに、二人は手をつながない。どんなに心細くても自分の足で立とうとする性質を持つ。でも私は、彼のこうこうと火に照らされた不安な横顔を見て、もしかしたらこれこそが本当のことかもしれない、といつも思う。日常的な意味では二人は男と女ではなかったが、太古の昔からの意味合いでは、本物の男女だった。しかしどちらにしてもその場所はひどすぎる。人と人とが平和をつむぐ場所ではない。
吉本ばなな『キッチン』「満月」より引用)
これがとにかくすきなんだけどなあ。