薬剤としての本
薬としての本って、あると思うんだけどなあ。
多くの人のあいだで、
本は、娯楽として楽しむものか教養を高めるものか、その2つの役割がメインになってる気がするのだけど、
それだけじゃないと思うんだが。
たとえば友人の悩みを聞く。
そのときの正解は、
「アドバイスせずに、しっかり話を聞きましょう」てなものなのかもしれないけども、本を渡すっていうのも結構有効な方法じゃないのかなあ。
私は、ままある。
ああ、この人の苦しみは、この本読んでくれたらだいぶすっきりするはずなんだけど!!!!!って思うこと。
(思いついたら、たいがい勧めてしまう)
気休めとかじゃなくて、ほんとに治療効果のある薬として機能する本もあるはずなんだよ。
でもなあ、本を読む習慣のない人にとっては、一冊読むってことがしんどいのも想像はつくから、悩ましいのだけど。
苦しんでる人が目の前にいて、
私は、即効性があると私が信じている薬を持っている。
でもそれ渡しても、脇においたまま、ずっと唸り声あげてるってのは、
見てるとしんどいのだけどね。
でも。
他人には、薬を渡すとこまでしかできないから。
それをつまんで、呑み込むのは、自分ですることだ。
そこをね、無理やり口開けさせて、水と薬を流し込むのは、暴力よ。
その人のためって言い張っても、そりゃだめだ。
他人にできることといえば、
これ飲んだら、ほんと楽になったよ、いますっごい元気だわ!って姿を見せること以外にないのよ、たぶん。
で、その薬いいかもってその人が思い始めたようだったら、
水もってきてあげる、ってたぶん、それくらい。
まあ、注意しなきゃいけないのは、
あなたが薬だと信じてるものでも、その人にとっては毒かもしれないって、そこなんだけど。
なんだか、話とびまくったな。いいや。
いろいろ勘案するとだな、本ってのは副作用は小さいと思う。
文字情報ってバーチャルなものだから、直接的な影響は受けないはずだから。
(バーチャルっていうか、実体がないっていうほうが適切か)
(たとえば、高所恐怖症の人を無理やり高層ビルの展望台とかに連れていくのは、身体性があるから、ハイリスクハイリターンだと私は考える)
副作用が小さいっていうか、漢方薬みたいなものか。
効き目は、人によってぜんぜん違うから難しいけど、
効く人にはじわじわききますって感じか。
えと、落としどころがわからなくなったけど、
あれです、本は、薬にもなります。
もちろん、暇つぶしの飴ちゃんみたいな短編集も、
ホールケーキみたいな小説も、
ごはんのような新書とかもありますが、
頭痛なら治りますよみたいなエッセイとか
がっつり手術しましょうかみたいな研究書までいろいろありますよ。
いろいろ勧めたいもんはある。
うめざわ
※石橋プチ情報:やっと少しわかったのだ。石橋東口のBar葛Katsuraさんは、おすすめありますかって聞かれると、うちのおすすめ!はないんですって言いながら、お客さんがさっき食べてきたものとか聞きながら好みに合ったものを探し当てるようにして出してくださることがあるのだけれども、その感じが。