やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

「すごい」と「かわいい」なしでしゃべれる?

よしもとばななの「すごい」がかわいいって話を書いたときに、(http://umeboo.hateblo.jp/entry/2013/07/20/014157 の最後)
「かわいい」と「すごい」ってことばがなくなったら、私しゃべれないかもっていうコメントをもらって、いろいろ考えた。
 
そうだなあ。
確かにそうだなあ。
 
って思って、
人と話すあいだに何回「すごい」「かわいい」言うか数えてから、
ブログのネタにしようと思ってたんだけど、
数えるまえに書く。
だって、ここんとこ人とほとんどしゃべってな(強制終了)
 
さいきん、私はブリキ製のかなり小さい小さいバケツ(3Lくらいかなあ)がとても可愛くて、お気に入りなんだけど、
なんであれを可愛いと言えるのかよくわからなくてねえ。
 
だって、バケツだぜ?

 

可愛い要素なんてまったくないはずなんだけど、私にとっちゃすごく可愛くて一目惚れしたのだ。あれは、とても可愛いの。
 
で、まあ、すごいとかわいいについてぐるぐる考えてたらさ、
 
きっと私は、
自分の手に負える範囲の魅力的なものを、
かわいいと言うのだろうなと思ったわけだ。
 
で、自分の力を超える範囲の魅力的なものは、すごい、になるんだなと。
すごいには、畏怖がある。
 
かわいいって、もう「愛らしい」という意味以外がふくらみすぎて、
魅力的なものに対してのこんにちは、くらいになってると思うな。
もはや挨拶レベルだよな。
 
すごいも、とりあえず自分の力が及ばない範囲の力のあるものは、
ぜんぶ言えちゃうんじゃないかな。
 
たとえばさあ、
天候に関しては、可愛いってぜったい言わんなと思ったわけ。
夕焼けも、大雨も、ぜったいに可愛いものではない。
花とかは可愛いだけど、大木は可愛くないよね。
 
逆をいうと、たとえば鉢植えとか、見た目をすごいとは言わないよなあと思って。生命力とかをすごいと讃えることはあるけど、一般的には可愛いだよなあ。
 
かわいいを連発するとなんか不遜な感じがするのは、
目の前のものを手中にできちゃうって思ってるように聞こえるからかもしらん。
 
どっちかといえば、「すごい!」って素直に連発して、目をまんまるにしながらこの世界に単純にびっくりしてるほうが好き。だって、かわいいもん。
 
 
うめざわ
※数年前、アメリカはテキサスで、ごっつごっつした岩山みたいなところでもんの凄い夕焼けを見たのだ。ピンクから水色のグラデーションがほんとに綺麗な夕焼けのまえで突っ立ってたら、隣にいたアメリカ人がGorgeousだね!って。へーそういうのかと、それ自体も面白かったけど、女性に向かって同時にHi,gorgeous!ともいうよねえ。その感覚がなんか、あっけらかんとしてていいなと思った。