やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

台所は育てるんだ

キッチン用品が私は好きだ。そりゃもう、ほんとに好きだ。

お皿とかコップとかも大好きだけど、とくに、時間が丁寧に堆積される道具が大好きだ。火にかけられたりして、使ってくうちに変わっていくものがいい。

 

包丁の傷跡がふえてく木のまないたとか、

使ってるうちに鍋肌がしろーくきれいに光ってきた雪平鍋とか、

どんどん色が濃くなっちゃう木べらとか、

こげては磨くホーローのミルクパンとか、

べこべこになっちゃう金色の小さいアルミのやかんとか、

洗うたびに嬉しくなる。

 

台所まわりは、火にかけたり油かかったり水で洗われたり、

どんどん刺激が加わるから、変化スピードが早いのよね。それがいい。

 

最近愛でてるのは、もらったばっかりの鉄のフライパン。

可愛すぎる。やばい。愛おしい。

素晴らしき友人(そして隣人)がくれたのだ、誕生日に。

南部鉄器の直径15cmくらいのちいさいフライパン。手のひらサイズ。

 

こんな鉄の塊をかわいいと言えてしまう、日本語の不思議に首かしげるけど、やっぱりね、これはね、非常にかわいい。

 

小ささとかシンプルな造形美をかわいいと言っているところもあると思うのだけど、

やっぱりな、育てる感覚があるからだと思うのよね。

扱い方で変わるとこが、かわいいって思ってしまうのでしょう。

錆びないように手入れしなきゃいけない面倒さがある。

でも、そうやって使ってるとすぐ応えてくれる楽しさが勝る。

 

このフライパン使いたいがために、食パンもこれで焼くようになってしまったよ。さよならトースター。(電子レンジのトースター機能なんだけど)(ほんとは、シンプルな2~3000円くらいのトースターが欲しいんだけど)(言い出したらきりないやめよう)

IH時代は、ただただテフロン加工のもんばっかり使ってたけど、ガス火を手にいれてからは、土鍋、ホーロー鍋、アルミやかん、そして鉄フライパン、いろいろ手にしてほんと楽しい。私は台所が大好きだ。

今は砥石が欲しい。

 

うめざわ

※つつつつつつつついにだよ!平松洋子さんの新刊、こんどこそ、こんどこそ新刊を見つけたんだよ!!!だからもう嬉しくて台所話よ!!平松さんがかまぼこ板をミニまな板にと書けば商店街へ走り、蒸籠がお好きと読めば東急ハンズへ駆け込み、ミントは万能だとあればスーパーで鉢買ってきて枯らしたわたしよ。平松さんがいなければ、こんなに台所が好きにはならなかったでしょう。はー。ページ繰るのが惜しいくらい好き。『ひさしぶりの海苔弁』10月25日発売。