やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

捨ててく選択肢

 

三浦しをん(以下しをん):もし私が男だったら、たぶん、小説を書く仕事をはしてなかったと思います。

中村うさぎ(以下うさぎ):どうして?

しをん:わりと権威主義的だから。

うさぎ:そうなの?

しをん:はい。だから男だったら、大学行って、そのあと就職して、結婚して、出世してっていう一本道を目指して、それに対して疑問に思わなかった気がするんです。実現できたかは別だけど。あの人は自分と全然違う生き方をしているけど、なんでだろうって想像することもなかったと思う。そういう意味では女の人って一本道みたいなものって、あんまりないですよね。

うさぎ:選択肢がたくさんある。

しをん:そう。結婚するのか、しないのか。専業主婦なのか、共働きか。子どもを産むか産まないか。産むなら何人か。

(中略)

しをん:男の場合は一本道だから、余計なことをいちいち考えなくて済む点では、お気楽かもしれないけど、みんなが出世を目指すから競争が激しい。そういう意味では、プレッシャーがきついだろうなって思います。

(中略)

しをん:女子は、そこは自由ですよね。専業主婦になろうが、キャリアウーマンのままでいようが、選択肢がたくさんあるから。

うさぎ:その代わり、女子は捨てた選択肢に常に復讐される。

 

中村うさぎ三浦しをん『女子漂流ーうさぎとしをんのないしょのはなし』より引用)

 

うげ、ってなるけど、そうなんだろうよ。

うおおこええよ。

なんかほんとさ、人生さ、先考えるとまじで恐いんだけどさ、

何が恐いって、どんどん捨ててく感じよね。

ありえたかもしれない自分をどんどん捨ててくのが。

 

こわいっていうか、あきらめがつかんというか、すぱっとやりきれないというかさ。

いくつになってもそういう達観なんてできないのかもしれないからさあ、

いまは明日何しようってそう思ってさ、それだけ考えて生きてくのがいいのかなあって思うよねえ。刹那的といわれようがそれしかないんじゃないかなあもう。

ああなんかようわからん。

たぶん寒くて風邪ひいたせいだ…また卵おかゆ生活だよ…

みなさま暖かくしてお過ごしください…

 

うめざわ

※ゆたんぽ=a hot water bottle=湯婆婆