やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

勝っても馬はわからない

競馬のニュースが流れていた。

優勝した騎手は表彰されて、

彼と馬を中心に並んで、フラッシュが焚かれてたけど、

勝ったお馬さんさあ、嬉しいのかねえ。

自分が何億稼いだのか、知ってるのかねえ。

 

勝負するのはべつにいいんだ。

ただ、自分が騎手になってないと、勝ってるのか負けてるのかもわからず、

ただ走って疲れるだけってことになるぞと思って。

 

もしかすると、

なにか組織に属するっていうのは、馬になることなのかもしれないとも思ったな。

好きとか嫌いとか関係なく、ムチ打たれるままにただ走る。

喜ぶのは、騎手だけ。走ったのは馬なのにね。

 

そういうふうになっちゃったらいやだなあと思う。

もちろん好きで走るならいいんだけど。

 

私たちはさ、みんな人間だからさ、

自分たちがしたことを、自分たちでちゃんと認識して、価値付けして、

みんなで喜んだり、みんなで悔しがったりしたいなあ。

素朴にそう思う。

 

うめざわ

※「マグロは自分がウマいって知らずに泳いでるだろうなあ」って糸井重里がたしか言ってたような