やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

女とタコを見ながらはねえ…

 

目の前にでかでかと描かれた春画をみながら、

ごはんを食べる日がくるとは思いませんでした。

 

いやね、まえに連れて行ってもらった居酒屋がね、

入り口がこう、背をかがめて入るような、お茶室のにじり口のようなといったらいいのかしら、そういうちょっと趣のあるところで、

中も、古くて底光りするような木のつくりのとこでさ、なんかいい感じだったのだ。

古めかしくて。

しかし、だ。

 

ふと顔をあげると、江戸時代風の絵がぼろぼろの土壁に描かれているのを発見。

そこで驚く私です。

 

目に飛び込んできたのは、左では、ちょんまげ頭の男性が、どうも着物がはだけた女性と身を寄せあっていて、右には、口に含まれる足の指。(詳しい描写は省略いたします)

いやーな予感がして、席の右手の壁を見上げると、ほらきた、女とタコ。

(詳しい描写は省略いたします)

 

ちょっと待てちょっと待てちょっと待て。

なぜそんなものを見せつけるのかいなこの店は。

そもそもの建物に描いてあったのか?わざわざ描いたのか?

なぜ居酒屋で春画を見せたかったのだ?

 

わからんなあ。

 

まえ行ったLOVE展( 森美術館)でも春画の展示はあった。

(私の感想はこちら2013/8/31:殺してあげる、君のために。 - やどかり

「この先、アダルトコンテンツが含まれますので、18歳以下の方はご入場いただけません」みたいなブースに仕切られて、ガラスケースのなかに春画がずらり。

おもしろいもんだなあと思った。

昔のただのエロ本じゃん!それも400年たつとこうなるのね!っていう。

2500年くらいにはさ、今の週刊誌の袋とじとかも美術館に並ぶのかね…なんだかなあ…

 

芸術とエロとか、ただのもんを美術品にさせる長い時間とか、そういうのは考えるとおもしろい思うのだけど、難しくてわからんぜ。

わからなかったけど、芸術だろうがなんだろうが、江戸時代のエロ図像をみながら食事をする気にはなれんかったですはい。

 

うめざわ

※タコ料理なくてよかった……