やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

ねこまんまは和食ですか

和食と日本料理っていうのは違うんじゃないかと、

2013年11月19日(火)遠藤哲夫「日本人の家庭料理の歴史と未来」Session袋とじ - 荻上チキ・Session-22で言っていて。

 

なるほどなあと思ったわけですよ。

「日本料理のなかには、家庭料理が入ってない」「おかずは日本料理ではない」ってのが結構おもしろくて。(8分20秒くらいから)

「伝統的な日本料理っていうのは宴会料理で、酒宴のためのもの。だから、ご飯のためのおかずっていうのは、それに含まれない」

「汁で考えるとわかりやすい。すまし汁は、家庭ではなかなか作られない」

 

この方は「ぶっかけメシを愛するフリーライター」と紹介されるくらいなので、冒頭ぶっかけ飯の話もあったけど、たしかになあ、家庭ではふつうに食べられるものなのに、下品だとされたり、お店ではぜったい出てこなかったり、とか。

 

たしかになーという。そういえば意識したことなかったなあって。

Washokuが自然文化遺産ですか、きっとおめでたいのだと思うのだけど、なんかよくわからんのですわ。たぶん、和食ってこれです、どこでもはっきり言ってないからのよね。すげーもやもやするなんでだろ。

 

(ひとしきり資料をさがす)

 

ああ、わかった。明示されてないからわかんないけど、ユネスコに登録されたものは、古き良きというか、今は家庭ではありえないようなもの、家庭料理じゃなくて料亭のザ日本料理なものを和食と称してしまうような感じがして気持ち悪いんだ。現実とかけ離れてるのにこれこそがJapanese cultureです!みたいな、それがたぶん嫌なんだなー。

ま、うちの文化を世界遺産にしてね、って売り込むんだから、これくらいあたりまえなんだろうけども。なんだかなあ。もやもや。

 

うめざわ

※資料

NHK:日本の「和食」無形文化遺産に登録決定 

文科省「日本食文化の世界無形遺産記載提案書の概要」

UNESCO:Washoku, tradirional dietary cultures of the Japanese, notably for the celebration of New Year 

※日本のごはんといえばこの本ですよね…馬鹿のひとつ覚えのように紹介しますが、これでしょう。いかにして我々の食卓の現実と理想がつくられてきたかがよくわかります。

阿古真理『昭和の洋食 平成のカフェ飯:家庭料理の80年』