やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

金魚はペットなのかという大問題

アートアクアリウムに行ってきた。
水族館みたいな真っ暗の会場に、たっくさんの金魚がはいった水槽がいくつもあって、水槽は、背景に映像が移されていたり、ライトアップされたりしているっていうもの。
 
感想からいうと、息が詰まった。悪い意味で。
確かにすごく綺麗なのよ。真っ赤な金魚が、暗い会場でライトアップされながらひらひら泳いでいたりするのは、すごく綺麗だったの。
 
だがしかし。金魚っていうのが中途半端な立ち位置なのだよ。
ライトアップっていうのはね、かなり強力な光で、見ている人間の目がチカチカするくらいストロボみたいについたり消えたりするもんもあったりして。
これ、犬とか猫とかでやったら、間違いなく動物虐待で愛護団体から苦情がくるわ、って思ってしまうようなもんなわけ。
 
でも、金魚なの。
せまーい金魚鉢にみしーーーっと金魚がつまって泳いでいても、
ストロボみたいなものをずーっと浴びせられても、
金魚だからいいのかなってちょっと思っちゃうのだ。
でもでも金魚を愛玩動物として見たらさ、虐待よなあって思っちゃうわけ。
 見てて気分はぜんぜん良くない。
 
その線引きはなんなんだ?
縁日で売られていたという、色をつけたひよこは虐待だけど、
薄い黄色っぽい金魚に、赤い光や青い光を浴びせて、色を変えて見せて「超綺麗!これ
ほんとは何色なんだろね〜」って観客に言わせるのは問題ないのか?
 
 
たとえば、動物園て、人間に飼いならされ、檻に閉じ込められた動物を眺めるところなわけだ。でも小学校の遠足でも行くくらいのところだから、きっと我々はふつうにそれを受け取っている。そういうもんだ、と思ってる。
でも、もし、ライオンのたてがみを編んでヘアアクセサリーみたいなのつけたり、キリンの頭に猫耳つけたり、ペンギンのおなかに絵を描いたりするのを見る、とかってなったら、すごい嫌な気がするんだ。彼らの尊厳を奪っている気がするからなのかな。
たんにふつうに生きてるのを見るだけなら、のぞき見させていただきます、と言い訳できるのだけど、見られることを前提にして手を加えると、一気に、虐げられた見世物を眺める感覚になってしまうからか。
 
とここまで書いてわかった。
 
たぶんね、動物を、生き物それ自体として見るのではなく、
モノとして見ようとすると気持ち悪いんだ。
 
アートアクアリウムの金魚たちは、生きている金魚じゃなくて、
金魚の形をしたモノとして扱われていたから気持ち悪かったんだ。
 
あそこの金魚は装飾品でしかなかったんだ。
ぴかぴかの電飾とかカラフルなモールとかと同じ役割だ。
アートアクアリウムというと、アートな水族館?金魚が主役?みたいな気がするけど、違う。
あの場は金魚を見るものではなくて、
金魚によって装飾された水槽や空間を見るものだったんだ。だから気持ち悪かった。
 
たぶん金魚たちはそんなこと、みじんも考えず、今日もただ泳いでるんだろうけど。
4月も大丸梅田であるみたいよ。
 
うめざわ
※今日ひな祭りだったんだってー一般的に子どもがいくつになるまで雛人形って飾るのかなあ