やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

2歳5ヶ月

バス停に並んでいたら、目の前に、

スキンヘッドのお父さんに、抱っこ紐でしがみついている赤ちゃんと、

だだこねて、めがねのお母さんに抱きかかえられている男の子。

 

お疲れのご様子のお母さんを見かねて、

お父さんが片手でひょいと男の子を抱える。

胸に赤ちゃん、右腕に男の子。

 

いい光景だなあとちらりちらりと見ていたら、

「おとうさん頑張ってるでしょ」と男性がにやり。

 

「いやほんとに!おいくつなんですか?」

「2歳5ヶ月と、こっちが5ヶ月。ちょうど2歳差で」

女性が即座に教えてくれた。

 

瞬間的に出てきた「2歳5ヶ月」

これにしびれた。

 

2歳でも、2歳半でもなく、2歳5ヶ月なんだ。

ああ、あの駄々っ子は、とても愛されているんだなあと思った。

きっと毎月、生まれ日が来るたびに、また1ヶ月たった、また1ヶ月って数えてもらっているのだろう。

その1ヶ月が、たぶんきっと、すごく大きなものなんだろう。

ああいいな。すごくいいな。

少年よ、君すごく大事にされてるぞ。覚えときなね。

 

人はいつまで1ヶ月単位で歳を数えてもらえるのだろうか。

 

うめざわ

※失敗した味噌メニューは、ごぼうの赤味噌漬け。生のごぼうのまま漬けたのがまずかったんやなきっと。味噌に漬けてもえぐえぐだった。アクすごい。