やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

浮かぼうぜ

 

海に浮かんだあの感覚が忘れられなくて困っている。

海行って、バシャバシャ浅瀬で水遊びしてる場合じゃないぞ。

泳いでる場合でもないぞ。疲れるだけだ。

 

あのね、

海は浮かぶものだ。

 

いやまじで。

みんな浮かぼうぜ。

ほんとに。

 

海に浮かぶって、人間が知りうる限り、もっとも心地の良い体の状態だと思うわ。

 

だって、地面に寝そべっても、どこかに負担かかるじゃない。

ベッドでもそうだ。力抜いても背中痛い。

 

でも地面が海だったら、どこにも力かかんないぜ。

完全な脱力だぜ。

しかも、ゆるい波があるのだ。

もう、ゆりかごにしか思えないわ。

 

大の字になって顔だけ出して、あとはぜーんぶ力抜いて、

ゆらぎのなかをふわふわ漂う。

あんなに気持ちのいい感覚があると知らなかった24年間、

ちょっと損してたよほんと。

 

小一時間、ふわふわしたあとで歩いた砂浜の歩きにくさね!

重力たいへん!歩くって不自然!

 

生物は海から生まれたっていうことを、

ああそりゃそうだろうなあまず海だよなあって何度もうなずいちゃうくらい、

原始的な快感だったなあ。

 

ああまた浮かびたい。さいこうだった。

 

うめざわ

※ま、くもり空とはいえ、小一時間、真夏の海に浮かんでた代償は、きっちり体で払ってますけどね……かつてないくらいヒリヒリするよ…まずい