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やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

素直なかき氷

たべものの話

かき氷をほとんど食べない夏だった。

自分も素直じゃなくなったんだなあと思った。

あれは、非常に素直な食べ物だ。

 

暑い暑い、冷たいもんほしい、

あれ、氷食べたらいいんじゃね?

そのままだと食べにくいなそうだ細かくしよう、

ああ甘くしたらおいしいよね、ついでに綺麗だから色つけちゃえ!

 

わかりやすい。

非常にわかりやすい。

冷たいから氷、甘くするのに砂糖シロップ、色つけるのに着色料。

 

私もかき氷好きだったのになあ。

そういえば、実家にプラスチックのかき氷器あったなあ。

あれは小学校のときか。抹茶シロップが台所においてあったなあ。

 

でも最近は違う。

暑いから冷たいもの!

じゃなくて、

暑いけど、冷たいものとると体によくないから、

やっぱりフラペチーノじゃなくてホットコーヒー。

 

それでいいのかなあ。

30度超えた日中に、湯気の立つもの飲むのは、

「あまくなくておいしい」くらい不自然な気がするよなあ。

不自然なのが大人なら、私はやっぱりこどものままがいいよ!

 

と思って、やったよ、ついに。

9月のすずしい、雨模様の日。

 

いつかのために凍らせておいた牛乳をミキサーにかけて、

そこに熱くて濃いコーヒーをいれた自作フラペチーノ。

 

ああやっぱりシャリシャリした氷はおいしい。

真夏だったらもっとよかったのになー

がまんしないで、この夏つくればよかったなーあーあ

と思ったのは、コップのふちから2cmまで。

 

それ以降は、

いくらペースダウンしてもぬるくならない茶色の液体を呪った。

氷きつい。冷たすぎるよあれ。つらい。

わしゃーもう年じゃ。

 

うめざわ

※ 「何が好きですか、と訊かれて、

まよわず、ケーキ、とこたえるような単純さで、私は生きたい。」

江國香織『とるにたらないものもの』より)