やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

足りないのは自信じゃなくて

自信っていうのは、あったほうがいいのかどうか考えている。

なくていいんじゃないか、これ。

 

自信をもつっていうのは、自分の過去をすごいと思うことだと私は認識してる。これだけやったんだから私は大丈夫!ってやつ。

(根拠のない自信というものもあるけど、それは安心感に近いからここでは別物として考えてる)

 

過去がすごいから、未来もすごいはずだってのが自信。

 

でさあ、未来がうまくいく気がしないと、「自信がないんです」って人は嘆くわけだ。

仕事うまく行く気がしない、勝てる気がしない、恋愛できる気がしない、友だちができる気がしない。

 

自分にできそうもないことを軽々やってる人を見ると、私にも自信があれば…!!って思うわけだけど、たぶん違う。

 

足りないのは、自信じゃなくて、すごいはずの過去への諦めじゃないかしら。

 

自分が「できなかった」「してこなかった」ことを認めたくなくて、できなかった過去をずっといじくってる。「できたはずなのに」「私はもっとすごいはずなのに」

 

もう、そこから抜け出すためにはさ、いったん観念して「ダメだった!」ってことを認めるしかないと思うわけよ。

すみません、できませんでした、って自分に頭さげる。

 

人とうまくしゃべれないとか片付けができないとか仕事ミスしたとか遅刻したとかさぼってしまったとかふられたとか友だちいないとかそういうの。

そうやって自分にごめんなさいしないと、どんだけ自信をなすりつけてもボロボロ落ちてく。

 

でもでも、自分にごめんなさいができれば、ゼロからの清々しいスタートが切れる。「ああ何もできないのね私!」っていう、あっけらかんとした大変清々しい諦め。

自信なんかよりこっちのがずっと大切だと思ってる。

 

うめざわ