やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

サービスしません

サービスしないって、勇気のいることだ。

大盛りにしちゃったり、安売りしちゃったり、かと思えば、つまらないものですがってへりくだりすぎちゃったりするんだけど、そういうことをしないで、
「うちは、この値段でこの量、この味です」って毅然とした態度とるのは大切なことなんだわ。「ご不満ですか?それならお帰りください」って言えるプライドをもつこと。

 

それはとても怖いよ。
「うわ、ちょっと焦げちゃった、お詫びにちょっと大盛りにしとこう」とか、
「え、これだけって思われたらやだな、お得意さんだし安くしちゃお」とか、
そういうのをなしにするってことだからさ。

サービスすると、だめな部分を許してもらえそうな気がするんだよ。
おまけつけとけば、目くらましになるかなって思ってるの。

 

でもそれは、相手を馬鹿にすることにもなるよなあ。
「これくらいで喜ぶだろ」って、見くびってることだからさ。

そのサービスは、自分を守るためのものじゃないか、いったん考えてみるときっと面白い。

 

全然楽しくないのに、てきとうに笑ったりしてない?
あんまりいいと思わないけど、ほんとのこと言うと面倒になりそうだからって「いいですね!」ばっかり言ってない?
コンビニとかで無愛想な店員に対しても「ありがとう」って言いすぎてない?

 

サービスし続けると、安く使いたがる人が寄ってきちゃう。

で、サービスをやめると、そういう人はさーっとひいていく。

そんな人は、いらないのです。

 

うめざわ

※「出血大サービス」 ってものすごい言葉よな。「赤字覚悟」から作られたんだろうけど、赤ってイメージから血を連想し、さらに「出血」にまで拡大するってすごい力量。商売の場面で急にケガに言及するのも突飛でインパクト強いし、出血って言葉は見るだけで痛くて、字面だけで「うわ、そこまで!?」って体感させるし、なにより勢いがあるよねえ。ぶわって出る感じ。シュッケツって音も鋭いし。

これが、たとえば赤のイメージで「発熱大サービス」とかにしても、瞬発性がない。「骨折大サービス」とか「過労死大サービス」とかだと暗くなるし停滞感がひどい。やっぱり出血なんだ、きっと。つくった人天才。

※追記)同じ出血でもさ、「流血大サービス」だとダラダラ感と深刻さがある。やっぱり出血…