やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

不自然なきゃー

違ったらごめんなさいなんだけど、ジェットコースターとか乗ったときの甲高い「きゃー」って声、自分のための効果音じゃない?

 

立ち上がるときの「どっこいしょ」って、なんでどっこいしょになったのかわかんないけど、言う人いるじゃない。たぶん、どっこいしょって言ってる人たちを見て、身につけた効果音だと思うわけ。なにも知らないでどっこいしょは言わないよ。

 

それと同じくらい、あの「きゃー」は、後天的に学んだものだと思うんだ。だって、どうやったら、自然にあんな声出るのさ?

 

人間が突然ぐわって脅かされたとき、反射的に出る声は「うっ」とか「あ」とか、母音だけだと思うわけ。簡単に出せる音じゃない?

きゃーっていうのはさ、喉しめつけて、しかも息を大きく吸って吐かないと出せない音で、こわいときにそんな声出してる余裕ないと思うんだけどな。

 

だから、なんでジェットコースターとかで「きゃー」って叫ぶかっていうと、たぶんそういう映像があったんだろうな。

第三者的には、あたりをつんざく甲高いきゃーの声を聞くと、たしかに身が縮まる感じはするもん。こわいシーンのときに説得力をもたせるために、きゃーって役者に言わせたんじゃなかろうか。つまり効果音。

 

だってさ、ビッグサンダーマウンテンで私のうしろに座ってたおねえさんたちはさ、落ちそうになると「きゃー」って叫んでたんだもん。ここポイントね、落ちそうになると叫ぶの。「きゃー」って言うまえ、一瞬息吸うの。つまり、落ちる直前に「きゃー」の準備してるの。そうじゃないと間に合わないもんね。

で、叫んだはいいけど、大して落下もせずにふつうに進んで、きゃーが無駄になると笑うんだよ。叫んだり笑ったり、忙しいおねえさんたちだった。

 

うめざわ

※むかし頬杖ついて「はあ」って言ったら、友だちに怒られた。「あんたは、『てくてく』って言いながら歩くの!?『ぱくぱく』って言いながら食べるの!?ねえ!」まあそういうこと。