雨宮まみさんについて(潜在的な子分のひとりとして)
どうしても死因が気になる。手がかりは公式発表の文章と雨宮さんの年齢。それだけをもって医者の友人に聞いてみた。 40歳の女性で特に持病もなさそうで前日まで元気にしてて突然自宅で事故死する原因について。いろいろな可能性はあるらしい。タンスとかに押しつぶされて圧死とか、急性アルコール中毒とか、アルコールと睡眠薬のコンボとか自殺とか。
そんなこと考えても意味はないのはわかってるよ。わかってるけど、どうしても知りたい。どうして死んじゃったのか、その一端だけでも知りたいんだ。たぶんすこしでも納得したいんだ。ああそうだったのねって、言いたいの。わかったふりでもいいから。
理由がほしい。わかりやすい理由がほしい。老衰とかならわかる。病気とかもまだわかる。空から降って来た隕石がふたつに割れて落ちて巻き込まれて死ぬくらい天文学的な確率で不条理なことだったとしても、なんとかして納得してみせるから。
なんでこんなに死因にこだわってるかっていうと、わからないでいることが不快なんだ。ただ悲しいとか、ただ喪失感があるとかじゃなくて、なにか理解の範疇を超える出来事に遭遇してしまって不愉快なんだ。その不快感を消したいの。私に理解可能な理由がほしい。なんたる身勝手。敬意のかけらもない。
でもどうせ、亡くなった雨宮まみさんがTwitterにちょっとこういう事情で死にました、ってくわしく教えてくれたとしても、ぜったいに納得なんてできるわけがない。死んじゃやだ、ってメンヘラリプライ送り続けるしかできない。死因なんてどうでもいいです。なんでいなくなってしまったのかそれだけ教えてください。
わかってるよ誰かが死ぬ理由なんてたぶんどこにもなくって、ただたんに、ある日ある人が死んだ、以上。それだけ。いつだってそうだ。残された側が自分の感情をもてあまして、勝手にストーリーをでっちあげて納得したふりをする。それは仕方ないけど、とっても卑怯だ。私のしてることは褒められたことじゃない。そう思うよ。いまこうやって悶えてても、ふつうにご飯食べるし、ふつうに笑ってるしね。でも、ふつうに生活しながら、ただただTwitterで「雨宮まみ」を検索して、納得させてくれる誰かの言葉を探している。
・雨宮まみさんについてのとても個人的な覚え書き - Ohnoblog 2
・[ポットの日誌番外編]雨宮まみさんのこと 文・小嶋優子 | ポット出版
(前略)そして共闘しているようにも思っていた。彼女が陣頭指揮だとして、私は斜め後ろにいるうるさいだけの参謀でもチンピラでもいいが、そういう立ち位置にいるつもりでいた。陣頭指揮が何の方策も示さなくなったら子分はどうしたらいい。子分は私以外にも潜在的にものすごい数がいるんだよ。(追悼しない - 能町みね子のふつうにっきより)
うめざわ