やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

馬鹿にするなら生産的に

どうせ人を馬鹿にするならば、生産的にやろうぜ、と思うのだ。

自分の価値観からはずれている人を軽蔑するのはとっても簡単。「なんであの人あんなことすんの!まじ意味わからん。ありえない」って、ただ馬鹿にする。それだと、こちらは怒ったりイライラすることしかできない。あっちは一ミリも変わらないのにね。こっちが感情の浪費をするだけで、まったく無駄じゃんそれ。

なので、もうちょい生産性のある侮蔑の方法を選びたい。「まじ意味わからん。ありえない」までは同じでいいんだけど、そこでもう一声。そのあとに、「なんでだ?」を追加しよう。

「なんであの人、ああなんだ?」を考えてみる。ほら、一寸の虫にも五分の魂、あるみたいなのでそれを想像する。あの不潔で卑しい憎っくきゴ○ブリにもゴブの魂があるわけだ。略してゴブたま。そのゴブたまは何を喜びとして、何を求めているのか、一瞬でも思いを巡らす。

そうするほうがこっちの立腹度がちょいと下がるんだ。ああ、あんな人にもしょっぼい理由があるのねー、って思えると、怒りよりも呆れの度合いが増える。そして自分の許容範囲がちびっとだけ大きくなった気がして、そのことで自分えらいなあとも褒められる。ゴブたま想像、訓練中です。

 

うめざわ

ハクモクレンが散りはじめている。あのすこし黄みがかった白い色、やっぱりふしぎ。白い花なのに、清潔さとか真新しさよりもノスタルジーが強い。