やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

アンバランスな大人・子ども比率

途中の駅から乗ってきた中学生男子3人組。まだ細くって、カバンだけがやたらと大きい。あの背丈は中1か。それぞれの手には、クーリッシュ(カルピス味)。高い声でしゃべるんだわ。
「あいつ村上と付き合ったらしいで」「だれ」
「バレー部の」「知らね」「おれも知らね」「……(3人無言)」
「あ、『こどもつかい』見に行きたいねんけど」
「えおれむり」「なんでやの、ノリやでノリ」
「こわいのむり」「はあ?」「いけるで!」
「あかんあかん」「ノリやって」「いけるいける」

あー、なんだろう、このかわいさ。
恋愛ネタにはわかりやすく興味ないですアピールをし、結局肝試し的な話で盛り上がる。そして正直に「こわい」という彼も素直でいいし、その彼を連れ出そうと強がる感じもいいなあ。

端から見たら、「8割こども2割おとな」くらいの構成比なのに、たぶん自分たちでは半分くらい大人成分だと思ってるというそのギャップかしらね。
だって、君ら、バレー部の村上、ぜったい知ってるやろ。

うめざわ