やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

バリアの呪文は「ハナシカケルナ」

バリアは張れる。

小学生のとき、バリア!って遊んでたじゃない。
鬼ごっことかでタッチされても効かないの。
胸の前で手首クロスさせてさ。

大人になってから、バリア意外と簡単に張れることに気づく。
呪文は簡単。
「ハナシカケルナ」
この呪文を10回くらい黙って唱えるだけ。
そうすると、自分のまわりにかたい空気の膜ができる。

ただ初心者のうちは、すぐに消える。
顔がゆるんだらすぐ効果なくなるからね。
なかなか持続は難しい。

けども、バリア職人は違う。
物心ついたときから、呪文唱えてたからね。
カナヅチでも割れない空気のかたさ。
一般人には破れないし、
なんなら職人自身もそのバリアから出られない。

自分を守るために作ったバリアのなかで、
身動きが取れなくなってるわけ。
だから、そこから動こうとするとバリアごと動くしかないんだ。

鋼鉄のバリアが突進してくるわけだから、
ぶつかった人は大怪我だ。
バリアも傷が入るわな。

そうなったときに、バリアの亀裂から顔だして、
「ごめんなさい!だいじょうぶですか?」
って言えたら脱皮できるんだろうけど、
まずそうはならなくて
「オレのバリアをどうしてくれるんだ」
って怒り散らすからずっとバリアのなかの人。

 

うめざわ

※なんかこの満月にあてられてる気がする。気のせいだろうが。こわいくらい完璧だ