やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

うつろいのなかで、とどまるなにか

夕焼けが代表例だけど、グラデーションのなめらかな変化はいい。ずっと見てると変化に気づかないのに、何点か切り出してみると確実に変わってる。忍び寄るような変化というか、盗むような変化というか、微妙に確実に姿を変えてゆく手際が見事。

誰でも何でも、なめらかな変化を起こしている。変化の渦中にはわからないけれど、途中経過を記録していけばその変化ははっきりと姿を表す。こんなに変わったのか、って確実に驚く。

ほぼ日「わたしの定点写真」コンテストの結果発表を見た。

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おなじ景色、おなじ物、おなじ人などを、「1年1枚、5年で5枚を1セット」で撮った写真が集まってる。もう、ぜんぶよかった。

なんだろう、ものや人が変わっていくプロセスってなんで楽しいんだろうな。変わっていくんだけど、べつに5年前に生まれた息子がが、去年はイグアナになりました、今年はイヤホンですみたいな、みたいなそういう変化はあたりまえだけどなくって、「その人らしさ」はちゃんと保たれてるわけ。面影を残しつつ、ゆるやかに変わる。5年分の5枚の写真を見ると、変化の一方で、不変のものも見えてくる。おんなじポーズしてるわとか、笑い方がおなじだとか。
その変わらないものがその人らしさの源なわけだ。変わっていくもののなかに変わらないものを見つけると、その人固有のなにかが強調されてうれしくなるのかもね。

 

うめざわ

※審査員はましゃかさんが選んだ「朝食彼氏」これがすきだなー。たちこめる生活感と、彼氏モデルの瞬間的な気合と、写真のうまさがなんかもうミスマッチでたまらん。

作品賞と大賞をすべて発表! - 「わたしの定点写真」コンテストの結果発表 - ほぼ日刊イトイ新聞