それでもなお、好きですか

にも関わらず、それでもなお、好きなもの。それはその人本来の姿が見える気がする。役に立たない、馬鹿にされる、堕落する、太る……。そんなのわかってるよ、でも好きなんだもん！！と、自分の気持ちだけを拠り所に抱きしめていられるもの。黒魔術好きなんだけど誰にも理解されなくて、でもやめられなくて家に祭壇作っちゃった、みたいな話聞くと、たまらん。
けどね、とここで冷静な私の片割れが登場して言うわけよ。たんにそれ、ロミジュリやってるだけじゃないのって。好きという気持ちを邪魔する敵がいるから、本人も好きを追求するためにムキになるし、外野も盛り上がってるだけなんじゃないのって。殴られてもそれでも好きって思ってしまうDVの例もあるしと。
えーと。なんだっけ。黒魔術とDVの話をしたかったわけじゃなくて、えーと、そうだよ！　うちのねこさまの抜け毛のために、日々這いずり回って掃除してるわけだけど、それでもなお、私はねこが好きだと思うのです。そうそう、その話がしたかったの。トイレの砂は撒き散らすし、エサは吐くし、明け方に顔踏んでベッドに入ってくるし、厄介事は絶えないけれど、それでも一緒にいたいわけです。それでもね。

うめざわ
※最近は寝所にて、ねこさまは私の枕元に立ち、腕を出せいとおっしゃいます。腕枕をご所望あらせられるので、ははーと右腕を差し出しつかまつれば、すなわち上腕に身体を横たえ、肩に顎をのせてお休みになられます。起床時の肩のバキバキが気にならないとは申しませんが、わたくしめなぞと同衾なされるお心遣いに枕を濡らしております。