やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

だしだしだしだし

ダシを取ることを推奨している。理由はコスパ。1の労力で、オレすげえ感が27くらい返ってくるから。精神的コスパがたいそう高い。

なんかさあ、顆粒だしに手をのばすとき、体の表面をジャってざらざらのなにかで一瞬撫でられる感じがするじゃない。ニットのちくちくみたいな、ごくごく些細な攻撃を毎回受けるわけ。誰も文句言ってないのに、なんか叱られてる気分になるでしょう。

かといって、ダシとる? ダシ界は黄金のヴェールに包まれてるじゃないですか。純白の衣をまといし者しか入れないような結界張られてる感じするじゃない。昆布はどこぞの、鰹節はこれじゃなきゃ、火入れは何分、みたいなさ、厳密なルールがありそうで。

ダシ界に、この二極しかないのが問題だと思うわけ。インスタントか、さもなくば料亭か、みたいな。そりゃ息が詰まるわけで、だから、そのまん中あたりを浮遊しましょうよ、と言いたいのだよ。

私が導入してるのは、水出し。麦茶ポットに水入れて、昆布とか鰹節とか煮干しとか適当にぽいぽい入れて、冷蔵庫に放置。2、3日持つんじゃないかな。それを鍋にあけて、味噌でも溶けば、もう味噌汁。味たらんかったら、醤油でもみりんでも塩昆布でも入れりゃいいし適当に。ダシのお作法みたいなもんは調べずに、とりあえずやる。てきとうにやってもだいたいうまい。私ダシとってるから、って言えたらすごい無敵感なのよ。

 

うめざわ

※ていうか塩さえあればお湯さえおいしい。市販の顆粒だしのおいしさはけっこう塩味だったりすると思う。