ここでしばらくほっといて
いいもの読んだ。そう、ほっとくことが今むつかしくなってる。ほっとくことは怠けること、ほっとくことは責任放棄、ほっといてだめになったら自己責任。
でもさ、さわりすぎてない? コントロールしすぎてない? 自分でぜんぶしようとしてない? 土に手を突っ込んだって芽を引っ張ってこられるわけじゃなし。ただただ黙って水やることが最善だってそういうことはあるわけで。
最近、頭をよく駆け巡る言葉に、「ここでしばらく、ほっといてください」という言葉がある。おそらくずいぶん前に、料理番組で料理を指導している女性の方が、言っていたような記憶がある。その時は、特に何も感じなかったのだけど、不思議とこの「ここでしばらく、ほっといてください」という言葉をよく思い浮かべるのだ。
僕たちは、生活や仕事の中で、色々な計画をしたり、進んだり、引き戻したりするわけだけど、「こねくり回しすぎている。さわり過ぎている」ということが、意外と多い。「ほっとくべき、もの」は、僕たちの周りにはきっともっと多い。ほっておけば、人生におけるチーズやヨーグルトになり得る大切な存在が、その前に空気に触れてしまったり、雑菌を入れてしまっていることが僕自身は結構ある。
みなさんも、あえて「ほっとく」ものって、もっとあるかもしれない。
うめざわ
※育てるって待つことだ。冬にイチゴの苗を植えて、春先にぐんぐん育って花が咲き、五月晴れの空のもと小さい実がつき、それが熟れという過程を見ててわかったこと。