やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

さっさとマキロン、がきっと正しいけど

がきんちょだったころを思い出してください。
すりむいたときにマキロンされるの嫌だったでしょ。下手したらすりむくより痛いもんねえ。マキロン取り出す保健室の先生は鬼ばばに見えた。でもねえ、大人になるとわかるのだよね、消毒の大切さ。

血がだらだら流れるような怪我をしてしまったら、怖くて傷口は見られないから、やみくもに包帯巻いちゃうんだけどねえ、それじゃだめなんだよなあ。

その場だけごまかすとねえ、気づかなくても肉がえぐれてて、変なふうにくっついたり、膿んじゃったりするんだよなあ。
きちんと傷跡見てさ、痛いけど消毒してさ、必要があればちゃんと縫い合わせないといけないのよねえ。

怖いし痛いからほんと嫌なんだけどさ。
でもねえ、傷跡の形とか大きさとか確認して、消毒して、それから絆創膏なんだよねえ。

きついねー。
きついけど必要だねー。
でもきついねー。

消毒することって、きちんと絶望することなんだと思った。ありもしない望みを信じるんじゃなくて、きちんと諦めるってことだ。

諦めるって、「明らかに見る」、つまり物事をありのままに見るって意味から来てるみたいだ。適当に投げることじゃない。
きちんと諦めること。
これができたらたぶん大人だ。

うめざわ
※『夜と霧』の著者ヴィクトール・フランクルの公式とやらがあるらしい。
絶望=苦悩ー意味
絶望+意味=苦悩
なるほど。