やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

年末が寂しい

年の瀬の寂しさは凄いな。

寂しいを通り越して呆然とするくらいだな。

これは他じゃあんまりない。

 

年末30日なのに、まだ一人暮らしの部屋にこもってるわけですよ。

こーれが、意外ときつい。

 

みんな実家に帰っちゃうわけ。

だから暇でも会える友だちいないしさ、

何よりさ、実家っていう響きがずるいよな。

 

SNSとかで漏れ伝わってくるもん。

あったかいところでさ、

きっと親兄弟たちと食卓囲んだり、

おせち作ったり、大掃除したりさ、してるんだろうよそういう光景。

実家に帰るって、私にはあったかいイメージしかないのよねー。

勝手にそう思い込んでるから余計だめなんだろうけどねー。

 

そういうときさ、すきま風が寒くてさ、

心なしか人が少ない下宿先にいると、

ほんとこたえる。

 

ひとりでクリスマスは、もはや陳腐すぎるネタだけど、

お正月にひとりって笑えないのよね。

 

普段は別にいいんだ、自由で簡素なひとりライフはね。

でもさーいまはさーさびしいねえやばいねえ。

寒さが身に染みるどころか、

寒さに侵食されて尽くして、自身が保冷剤になるそうだぜまじで。

 

寝ても覚めてもひとりでさ、

ファンヒーターとこたつを併用すると

ブレーカーが落ちる貧相な下宿の片隅で、

あったかくないこたつに湯たんぽ入れて気を紛らわして、

ファンヒーターをぎりぎりまで近づけて、

体にブランケット巻きつけて、

さつまいもの煮たのをもそもそ食べて、

音も立てず、冷たいPCをカタカタするのが、

こんなにもつらいとは思わなかったぜ。

 

こうさ、そろそろさ、ananとかがさ特集で、

「えっまだ田舎に帰ってるの?

ひとりで過ごせばいいことづくめ。

今年こそ、おひとり様の年末年始!」

とか煽ってくれてもいいと思うんだけどな……

 

うめざわ

※帰る場所があるっていうのんは、人の幸せのなかでも、とっても地味でとっても贅沢なものだと思うのですよ