やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

放置してくれないもんな

今日は人生で初めてバットを握った。

 

小学校のときも外でほとんど遊ばず、男兄弟もおらず、女子校文化系部活で育つとこうなるわけよ。

なぜか仲間うちでバッティングセンターに出かけたわけだけど、おもしろいとこだった。

友人が言ってたのだけど、バッティングセンターって流れてる空気が銭湯と一緒でさ。

客がいつの間にか入ってきて、お店の人はなりを潜めていて、客は一人ずつ勝手に楽しんで、終わったら見るともなくベンチで野球中継を眺めて、気が済んだら帰る。

 

2、30年は軽く経っているであろう白黒のポスターとか、ほこりで霞んだ誰のもんかわからないサインとか、素人にはまったく価値のわからないユニフォームとかが、古ぼけた木の壁に貼ってあると、ああ庶民の娯楽施設なんだなあってしみじみとやすらぐものがあった。

大声のいらっしゃいませ、とか、眩しく輝く店内とか、しつこいほどの説明とか、そういうもんがない施設に久しぶりに足を踏み入れたなあと思って。

とてもいいなあと思ったよ。

と同時に、今は、どこでもサービスが過剰というか、サービスに見せかけた自己満足が過剰すぎるよなあとも思ったよ。

 

うめざわ

※ちなみに初めてグローブを触ったのは、2ヶ月前です