やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

チョコレートだよねえ

バレンタインなのか。

そうなのか。

 

いろいろ文句をつけたくもなるイベントだけれども、

好きな人に贈るお菓子ならさ、

チョコレート以外にはないよなとも思う。

 

ぽろぽろこぼれるクッキーでもなく、

ましてや、ばりばりかじるおせんべいでもなく、

崩れやすくい生クリームのケーキでもなく、

所帯染みたパウンドケーキでもなく、

ぺしょっと手応えのないマカロンでもなく、

スプーンが必要なプリンでもなく、

クリームのはみでるシュークリームでもなく、

指でじかにつまんで、口のなかでむわっと溶けるチョコレートだよ。

チョコレートはひとりで大人がこっそり大事に食べるものだよなあ。

子どものものじゃない気がするなあ。

チョコレートには、使い慣れない官能的という言葉をあてたいよ。やっぱりエロいもん。

 

だれかが書いてたなあ、平松洋子さんだったかなあ、

お客さんに出すお茶菓子としてテーブルにのぼらないのはチョコレートくらいだって。

そうだよねえ。

 

チョコレートが似合う大人になれるのはいつのことやら。

 

うめざわ