やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

コップが増えましたという報告

またコップが増えた。増殖が止まらない。もちろん彼らが無性生殖で増えているわけではなく、私がちゃくちゃくと外から連れて帰ってきている。
こう書いて、おそるおそる食器棚のコップ類を数えてみた。無印良品の瑠璃色のグラス2つ、無色透明なスタッキング&取っ手の取り外し可能なガラスコップ4つ(セット)、若葉色の湯呑み2つ、DOUBLE DAYで買った取っ手のない焼き物のコップ(暗いトルコブルーのと、青みがかった灰色の)2つ……そろそろやめる。あと、コップ・マグカップ6こ(どれもペアではなく、1種類ずつ)と、もらったシャンパングラス2つと、なぜかウィスキーのティスティンググラス1つと、使ったことのない琉球ガラスのお猪口2つ。私足し算できないけど、置き場がそろそろないってことだけはよくわかる。

そんな食器棚事情を勘案しても、このたびめでたくお持ち帰りとなったのは、シンプルな透明のグラス。背は低め、手のひらに収まるくらいで、じゃっかん青緑がかったガラス製。底もまんまる、飲み口もまんまる、側面はちょっとしなった直線。無駄のないフォルムになのに、再生ガラスで作られているとかでなぜか素朴な印象ももつ逸品(お値段500円)。厚すぎず薄すぎず、手におさめるとほっとする。このグラスを見かけたのは、2度目。キッチン用品を専門的に扱ってます、っていう店ではなく、ちょっと手仕事感のあるセレクトされたインテリアおいてます、あなんならいい感じの食器とかもありますよ、くらいのテンションのお店にあった。

これは水を飲むためのコップです。透明な水を入れるのがいちばん綺麗だ。そのために買う。家に帰ってきて即洗って、すぐに水を入れて、愛でる。最高だ。水とグラスが一体化して見えるんだ。水がコップの形でそのまま浮いているように見える。水をひんやりしたかたまりのまま掴んで飲んでるみたいだ。ただ水飲むだけでもうれしくなる。ずっと水飲んでる。

 

うめざわ

※あともうひとつ増え続けるのは、ナイフ。バターナイフとか、デザートナイフとか。形状が美しいものがダントツで多い。使わないのに。