やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

しゃべられへんねん

あんな、ワシな、たまにな、ここでな、関西弁しゃべんねん。ええやろ。しゃべりたいんや。もうな、8年もな、大阪おるのにな、人前ではなまともに関西弁しゃべれへんってどないなっとんねんっちゅー話やねんけどな。
うまく口から関西弁出せへんからな、こうやってタイピングして出すんや。
そうそう、さいきんは「出せへん」だけやのうで、「出されへん」っちゅう言い方も覚えたんやで。ほらいくで、だされへん。リピートアフターミー? おーおー、べりーぐっどや。

イントネーション、あ、ここ大事やで、いんとねーーーしょんや。ねーーが高いんや。たいらに発音したらあかんで。そのいんとねーーしょんは、西のんに染まったで、そら。マクドとかミスドとか。せやけどな、もっとこう、がつんと関西弁しゃべったろって思うとな、どうしてもワシんなかの江戸っ子女子高生がのたまうねん。「うわ、なまってるだっさー」

ひどいやろ、傷つくやろ。そんなん聞いたらもうおっちゃん、しゃべられへんで。なあ。せやからこうやって、覚えた関西弁をな、よなよなひとりで冷たい冷たいMacBookAirにうちこんでるんや。悲しい話やろ。ああ手えつめたい。

 

うめざわ