やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

「比べない」は「リスペクト」である

「人と比べない」っていうのは、「自他へのリスペクト」だ。わかったぞ。

あ、リスペクトって、「まじすげー!神!」っていう尊敬の念じゃなくて、「おうおう、よくきたな、よしよし」っていう尊重の念のことを私は指している。もっと平たく言うと、「大事にする」だ。

他人へのリスペクトを欠くと「あいつはなんであんなことできるんだ、ずるい」って勝手に妬む。見えないところの努力とか、持って生まれた才能とか、そういうものを大切に扱わないからそうなる。

「あの人、がんばったもんね」とか「やっぱりえらい人だから」とか思えたら、
自分と比べずに「ああ、すごい人だなあ」とシンプルに感動できる。100mを疾走するボルトを見るように、清々しく圧倒される。

で、自分へのリスペクトをなくしても、人と比べちゃうんだな〜。
「私はこれができる」「おれはここが自慢だ」っていう自分の良さに納得しきれていないと、「ぼく、それ持ってないのに、なんでみんな持ってるの……!?」と僻む。卑屈になっている人を鬱陶しく思うのはここだ。自分を低く思っていると見せかけて、他人へのリスペクトを欠いている状態だから。吉田沙保里見て見て悔しがるなよ、ってことだ。

いやいや、君だってえらいよ、よくやってるよ。
と同時に、あいつだってえらいし、よくやっている。

どっちも持てたら、とっても平和。

 

うめざわ

※もう十分だから、もうムチ打たなくていいよ。