やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

トマトは私のものじゃない

さいきん土いじりをしていて、
この夏はミニトマトが大豊作でね。
小さめバケツ3つくらいは採れたんじゃないかしら。

で、家に来る人や会う人に有無を言わさず
食べてもらったり渡したりした。
そうせざるを得ない気分だったの。

なんでかって言うとだな、
あれは、私のもんじゃないからだ。

土買ったり、苗買ったり、水やったり、
添え木あてたりしたのは、そりゃ私だけど、
でも、私が生んだものじゃあない。

だって、日々のことと言えば、
思い立ったときに水やるくらい。

それだけで、土からぐんぐんぐんぐん
めきめきめきめき伸びてきて、
親指くらいだった苗が、私の背丈より高くなって、
花つけて、実をつけてくれたんだ。

それ見てたらさあ、ほんとに、素直に、
自然の贈り物だと感じたのですよ。

「でも、あなたが世話してたんだから、
 あなたが受け取るのは何もおかしくないのでは?」
って思う人もいるかもしれない。

けど、感覚的にはよ、 
水をやったってただそれだけなのに、
なにかの手違いで何百倍にもなって
お返しが戻ってきた感じ。

電車でお年寄りに席をゆずったら、
後日自宅に、身なりのいい人が風呂敷片手に
ご挨拶にやってきたくらいのイメージ。

完全にもらいすぎ、です。
だから、せめて、みんなに分ける。

農業とシェアは相性がいい。

 

うめざわ
※お金と第一次産業をうまくつなげるのは、感覚としても難しい気がする。