見られるだけじゃないはずだ
なんていうか、被写体にカメラ持たせたほうが、
ぜったいおもしろい写真撮れると思うんだ。
我々は小さい子とかさ、動物とかさ、有名人とかさ、
そういう人にカメラを向けるけれどもさ、
きっと彼らが撮った写真のほうがおもしろいんじゃあなかろうかと思ってさ。
赤ちゃんが見た両親の姿とか、飼い猫の見た部屋とか、有名人が見た群衆とかね、
そっちが見たい。
ちょっと前に見たんだ。
カフェでテーブルに座る家族連れ。
両親と、小学1年生くらいの男の子と4歳くらいの女の子が向かい合わせに座ってた。
お父さんが、こども二人の写真をiPhoneで撮ったらさ、
「ぼく撮る!」って、iPhoneを父から奪い、
両親のツーショットを撮ってたんだ。
世界がぐわんとした。
そっか、あの少年もたんなる被写体じゃないんだよな。
彼が見てる世界ってのもあるんだよな。忘れてた。
カメラを向けると、彼らもきちんと意思をもって生きていて、
彼らにしか見えてないものがあるってことを、どうしても忘れてしまうなあ。
うめざわ
※今日の夕暮れ時、空きれいだったなあ。入道雲のとこだけ濃紺で、それ以外がうっすら明るい紺。夏の夜だったなあ。