やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

梅を愛で、桜に追われる

今年は、ここ数年でダントツの梅・桜摂取量を記録。わかったことがひとつある。

梅は愛でるもの、桜は追われるもの。

私にとって、梅は春なんです。
梅を見ているようで、そこに春の訪れを見つけているわけです。
「ああもう春なんだなあ、いい季節だなあ」って感じて喜ぶ。

もっと比喩的に言えば、春っていう主人のお使いとしてきてるのが梅の花っていう感じ。その使いの者がいい香りで美しくって愛でるけれど、ほんとはそのうしろの春を讃えてる。図式化すると、梅<人間<春っていう感じです。

だがしかし、桜は違う。完全に桜がメイン。
「桜が咲いたから春だねえ」じゃなくって「桜が咲いたから花見せねば!」になる。桜は感慨に浸らせてくれないね。人間が振り回されてばっかりだ。「いつ咲く?いつ見る?」「もう咲いてるー!」「今満開!明日雨!つまり花見は今日しかない!」完全に、人間<春<<<<桜 だ。桜の都合に人間が合わせる。ああなんと慌ただしくそわそわすることよ。結局古い歌のとおりでした。

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

 

うめざわ

※京都・平野神社で私史上最高の桜を見た。桜の森だった。