やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

階段は前にすすむ

ねえ、しょーーーもない大発見聞いてくれる?馬鹿にしないでね、お願いよ。は?とも言わないでくれよ。あたりまえなの、私がいちばんわかってるんだから。ね。
じゃあ言うよ、あのさ、階段ってさ、前に進んでるのね。

これ気づいてほんとうにびっくりしたの。どっからどう考えてもあたりまえなんだけどさ、今の今までまったくもって気づかなかった。この人生でいくつもの階段を越えてきたというのによ。いままで気づかなかったことにびっくりだよ。
階段って、上に行くか下に行くっていう意識しか私のなかにはなかったわけで、それが前方方向へ進んでいるなんてマジで意識されなかったのよ。私がただアホだったって説はとっても有力だけど、階段という極めてシンプルな装置に30年弱親しんできて、それでも今まで一切気づかなかった。そんなことってある?
そうだよね、前方に進んでなかったら、90度のはしごになっちゃうもんね。あたりまえなんだけどさあ。気づかなかったんだねえ。こんなことってあるんやねえ。あのときの「ハッ!!!!」という天啓みたいなひらめきは気持ちよかったよー。その分へこんだけどもね。

 

うめざわ

※私が類稀なる方向音痴であるということも、この世紀の大発見に寄与しているのは間違いない。自分の生きてる世界が立体であるということがよくわかってないんだな。私のいるレイヤーのうえに、別のレイヤーがあることがわからない。だから、いまの平面上しか動けない。そのなかでも基本的には前か後ろかしか認識できない。そうか、直線状を動く点Pなんだな私は。とすると私はゼロ次元…