レモン哀歌
きのう10月5日が、レモンの日だったようです。
高村光太郎の妻、智恵子の命日にちなんで。
「かなしく白くあかるい死の床」
「トパアズいろの香気」
「すずしく光るレモン」
感情を抑え、遠い日のことのように
淡々と語るような書きぶり。
そのぶん、そのときの感情が
瞬間凍結されているのがわかる気がする。
レモン哀歌
そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなりに止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう
https://www.aozora.gr.jp/cards/001168/files/46669_25695.html
その最後の日、死ぬ数時間前に私が持つて行つたサンキストのレモンの一顆いつかを手にした彼女の喜も亦またこの一筋につながるものであつたらう。彼女はそのレモンに歯を立てて、すがしい香りと汁液とに身も心も洗はれてゐるやうに見えた。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001168/files/46669_25695.html
うめざわ
それじゃ私は割り切れないの
西野カナとかGReeeeNのついて、「あれは世の中の最大公約数だからね」っていう友人の言葉に深く納得した。そうなんだよね、なんであんなの流行ってんの、ってイライラっとするのは、私がそれで割り切れないからだ。
みんなすっぱり割り切れてるのに、私だけ1とか余る。そりゃムキーってなるよね。やめてよ、気持ち悪い!って思うわな。
世の中はとにかく最大公約数でできている。
非現実的な理想論をいうならば、全員の欲望にフルで答えるためには「最小公倍数的なサービス」を作らなければいけない。けれど実際には、予算とか技術とかいろんな都合があって、ほとんどのサービスは「最大公約数を担保する」感じで作られる。
だから、ぼくらはいつも、世の中が提供するものに、どこかしら不完全性を感じる。
うめざわ
※AKBが目指しているのって、最小公倍数的なアイドルかしら。最大公約数的なアイドルは、誰だ、福山雅治とかか?ん?
いい人はたいてい優秀
「いい人はたいてい優秀」。
うん、書いてみてもおなじ。ぼくは本気でそう思っている。「いい人ならば信用してよい、いい人ならばたいてい優秀だからだ」。
まちがいない。ちなみに「優秀な人はいい人」じゃあない。仕事のできる人を目指すんじゃなくて、つねにゴキゲンな人になるのが一番の近道だ。
うめざわ
※たしかほぼ日だったと思うんだけど、バイトで来てたお兄さんにおつまみの買い出しを頼むと、いつも妙にセンスがよくって、そのまま気に入られたって話を思い出す。おつまみのセンスがいいって、それって超優秀だよね。
猫の季節
気温が20度を下回った。猫の季節の始まりだ。
朝、腕のなかにほわほわのぬくぬくのやわやわがいる。
これ以上の幸せはあるだろうか(いやない)
うめざわ
※猫はゆたんぽとして超高性能。冷めないし、形変わるし、エコだし、さわって気持ちいいし、なにせ幸せな気分をくれるし。
お弁当は死んでいる
市販のお弁当ってさ、ぜんぜんお腹いっぱいにならなくないですか? そんなことない?
コンビニ弁当だけじゃなくて、駅弁とかもそう。おいしいとかまずいとかとは違う。おいしくても、満たされない感じがするんだ。なにかが死んでる。
それが続いたあと、火で温めた味噌汁とか飲むと、ほんとおいしい。ああ生きてる食べものだ、と思う。なんだろなあこれ。
うめざわ
※更新やめようかと思ったけど(あ、単に忙しくて)、いつでもやめられるからできるとこまでやろうと決めました。短時間で書けるのを追求するかな。
時間の可視化
見えないものを見えるようにする。
レントゲンで身体の内部を明らかにしたり、
赤外線カメラで温度の違いを色で表したり、
砂時計で時間の経過を砂山で見せてみたり。
そういうのがちょっと楽しい。
うめざわ
※10月以降、更新が止まりそうな予感。