死ぬのはいつも他人ばかり
誰かが亡くなったときって、
どうしてこんなにわけがわからないのだろうか。
寂しいとかつらいとか悲しいとか、そういうのではなくて、
何が起きたかわからないというか、
べつにパニックになるわけじゃないんだけど、
やり場がなくてどうしたらいいか途方に暮れるというか、
薄くてぼんやりとしてとらえどころがなくてふわふわしてて、
でもとても湿っていて重たい何かに侵食される。
なぜか、真綿で首を締めるっていう言葉が思い浮かぶ。
真綿。
白いふわふわの綿。
でもあれ布団になると重たいのよね。
その人との思い出や遺された人の気持ちとか、
こまごまとしたことを思い出すたびに、
綿がどんどん積まれてく感じがする。
最後はあれだ、子どものころ、重ねた布団の下に入って遊んで、
重たくて重たくて息が詰まってもがいたあの感じ。ああなる。
よくわかんないから今夜は寝る。
いい女っていうのを80年煮詰めたらこうなるんだろうなあ、っていう、
ひどく美しくてかっこのいい女性でした。
うめざわ
※思い返せばちょうど去年のいまごろもお通夜にでかけていたんだ