やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

カラスの入浴:5回×4セット

大きな川の中洲に1羽のカラス。お、と思った瞬間、水にダイブ。足はそのまま、身体を勢い良く90度曲げて頭から上半身(といえばいいのか)を水にばしゃばしゃ。羽を水中で動かしながら、ぜんぶに水が行き渡るようにね。頭からダイブをきっちり5回繰り返して、いったん小休止。羽をくちばしでつついたりして身繕い。そしてまた突如水ダイブ。5回繰り返す。ふたたび休み。数えたら5回を4セット。そのあとゆうゆうと飛び立ってゆきました。意外と念入りよ、カラスの行水。

 

うめざわ

※カラスとごきぶりは身体の色で損してるよね。彼らが真っ白とか真っ黄とかだったらずいぶん珍重されてたと思うのに。……真っ黄の虫もイヤか。

語義矛盾ハンバーグの勝利

みんな大好きデイリーポータル、オレおもろいぜアピールじゃなくって、まじでこれすげえんだけどねえねえ知ってた!?ってピュアな驚きが溢れてるからほんと好き。
最近のこれ、ほんとうにしょうもないけど意外性がすぎるから何度も読んで笑ってしまう。肉抜きハンバーグですってよ、しかもうまいんですってよ。小さな巨人的な、首無美人死体的な語義矛盾ハンバーグに拍手。

料理の大事な材料ぜんぶ抜く - デイリーポータルZ

うめざわ
※ほかどんなのあるかね。考えるのでさえむずかしいや。
主役不在系:ごはんなしおにぎり(=海苔と梅干し)、ラーメン麺抜き(=濃厚スープ)、ハンバーガーのバンズぬき(=モスバーガー菜摘!?)、具なし天ぷら(=天かす)、パンなしサンドイッチ(=たまごサラダ)、味噌ぬき味噌汁(=おすまし)
調味料カット系:お好み焼きソース抜き、キャベツと麺を焼いただけそば、素ホットケーキ、素冷奴、焼いただけトースト、醤油抜きたまごかけごはん、うーんぴんとこない。うん。お好み焼きでソースなかったら反乱起こすが。

今日はフルーツ

女は黙って千疋屋。うむ。

 

千疋屋総本店:http://www.sembikiya.co.jp/

千疋屋総本店|公式オンラインストア 創業180年 高級フルーツの老舗

 

うめざわ

※価格表記のない公式サイトを見て高貴なるフルーツ界へふわふわと彷徨って、そのあとオンラインストアを訪ねてその数字を見て一気に現実に転送されるところまでが千疋屋トリップ。

本にぶつかる

本屋のなにがすばらしいって、そこに本があってすぐに手に取れて、しかも買えるってことだ。何言ってんだって思われるかもしれないが、インターネットには実物がないんだよ。紹介と評判しかないんだよ。ブツを手に入れるためには、アマゾンでぽちって届くの待つとかタイムラグが発生するでしょう。(その待ち時間が消えたのが電子書籍だから、これもハッピーな商品)

パソパソしてて「このこいいぞ」と動かない横顔を見つめるのと、本屋巡回中に曲がり角で食パンくわえた美少女とぶつかるのとじゃ、ぜんぜん違うわけだ。というわけで、今月のばったり本は太田光『違和感』でした。 

誰だって生きていれば違和感を抱く。
たぶん人間は、生まれた時から違和感があるから泣き叫んで生まれてくるのだろうし、大人になっても自分とは違う人や考え方があるわけで、生きてりゃ違和感ばっかりだ。
なのに、多くの人は違和感を抱くことにプラスの印象を持ってはいないように感じる。でも、俺にとっては決して悪いものじゃなくて、求めてさえいる。(はじめに)

 「生きやすい」って感じて、生きている人なんているの? 

(「生きづらさ」)

至極真っ当。てらいのない物言い。太田光の知性と感性を私はひとつの正解と頼りにしている。

 

うめざわ

※京都大宮「ヤオイソ」のフルーツサンド、今度は通常版よりお高めの「ロイヤルフルーツサンド」をいそいそと買い求めて帰宅。確信した。これはケーキだ。手づかみできるケーキ。パン屋さんでハムとチーズのサンドイッチの隣にならぶんじゃなくて、ショートケーキとともにガラスケースに飾られるべきものだ。今日のフルーツは、いちごとメロンとマンゴー。濃いオレンジのマンゴーはこりゃまた香り高くとろけるようで。それに軽やかなグリーンの芳しいメロンと真紅のぴかぴかいちご。そのお味は想像してね。んふふ。

創業120年 京都の老舗果物店 フルーツ&フルーツパーラー ヤオイソ

はるさあめ

しとしとと雨が降っています。春の雨ですね。春雨だ。スープにいれるか、中華サラダか。

うめざわ

※でもきのうが立夏だったわけですね。あらまあもう夏ですってよおくさんあらやだほんと。

ばっちりぎっくり

「ぎっくり腰」って天才的なネーミングだよなあ。
驚いたときのオノマトペを体の部位にぶつけるなんて。しかも、「ぎ」の音でバキバキな腰の状態の悪さが感じられる。びっくり腰、ばっくり腰、ざっくり腰。比べてみると、ギの不協和音みたいなのがよくわかる。そこから一瞬の間があって、「っくり」でそれがバキっと折れるようすを伝える。しかも、その折れた状態がずっと続くような印象もあるよね。イントネーションがさがるからか、「り」で終わるからか。いやあ、いい。すごい。

うめざわ
※「ぽっくり死ぬ」っての、ぽっくりもいい。

年かさの愛と若ものの勇気と

これ見て、涙がじわり。この展開は、愛と勇気でできてる。

木梨憲武お悩み相談「自分の才能や合う仕事がわかりません(22才男性)」(書き起こし)(TBSラジオジェーン・スー生活は踊る 相談は踊るコーナー」2018/4/18放送)

ラジオ番組内で、ふわっとした若者の相談に対して、「舞台挨拶に来なさい。仕事紹介するから」と答えた木梨憲武。それに対して、ほんとうにその場へ出向いて、紹介された映画現場で働いているフリーターの相談者。

見ず知らずの若者に、ちょっと大きすぎるくらいの救いの手を差し伸べる行為も愛のかたまり。それに怖気付いて逃げたりせずきちんと受け取る若者の勇気も偉大。しかもその後、番組に近況報告をしていると。
力のあるものは力を、若さのあるものは若さを、それぞれの立場でお互いの役割を十二分に発揮したストーリー。育て、育てられってこういう関係性なのかもね。いいものをみせてもらった。

 

うめざわ

※みんなだいすきジェーン・スーさんのラジオ、アプリTBSラジオクラウドでどうぞ。

ジェーン・スー生活は踊る|TBSラジオFM90.5+AM954~聞けば、見えてくる~

※天才的に面白いからぜひ音声で聞いてもらいたいが、書き起こしはこんな感じ。語彙力と比喩力もすごいが、人間理解の深さも圧倒的。

ジェーン・スー 恋愛大学入試問題「彼氏との別れ方」