やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

ねこごり

猫系の記事を集めた特集名が「ねこごり」。なんて幸せなネーミングなんだと感動して、いそいそとサーチしたら「猫ゴリラ理論」がサジェストされて目が点。眼の前にゴリラとネコがいて、どちらかを殴らなければならないとしたら、強そうなゴリラを殴りたいっていう前提条件から極めて錯綜している自己啓発的な話にさらに目がテンテンテンになってきたところで、ゴリラと猫が戯れてる写真が出てきて私の目はなくなりました。

うめざわ

※ネットの海は広いね

女性に人気? それって亜流?

「女性に人気」ってワード、いい加減なくならんかなあ。ちょっとオシャレ、ちょっとヘルシー、ちょっとユニーク、ちょっとかわいい、ちょっと手頃、みたいなものを全部まとめて「女性に人気」ってタグ付けするよね。
飲みやすいコーヒー、クセのないお酒、奇抜なエスニック料理、操作の簡単な電化製品、ゆるめのエクササイズ、そんなもんが「女性に人気」。

この消費社会のなかで、スタンダードとされるものが「一般的」つまり男性的なもので、そうじゃない亜流を女性的って言うのでしょう。この消費社会のなかでも女性は、「NOT男性」であり、購買意欲・意識の高い人群って位置づけなのね。いい加減乱暴すぎる。

うめざわ
※「男性に人気」って言ってご覧なさいな。男性の場合、「若い男性に」とか「年配の男性に」とかってグループ分けして言いたくなるでしょうよ。なのに女性の場合ぜーんぶいっしょくた。なんででしょうね。

固形牛乳づくりにはまる

この夏最大の成果は、牛乳寒天づくりの腕だな。水に寒天の粉溶かして、煮立たせて、牛乳入れる。それだけのはずなんだが、ちゅるんと美しい牛乳かんを作るのには、時間がかかった。

なんでかって?答えは単純。レシピ見なかったから。
濃厚至上主義の私は、水200cc、牛乳200ccとかっていうレシピ見て、あぁん?と顎突き出して、反発したわけよ。
水なんかで薄めちゃぎゅうにゅーの味が台無しじゃねえか、ストレートでいくんだストレートで、って、水割りを嫌う内なるおっさんが騒ぐもんだから、牛乳にじかに寒天入れて煮溶かしてたわけよ。オール牛乳の寒天。

そしたらば、つぶつぶになるの。寒天がよく溶けてないのかなんなのか、つぶつぶのカチカチの寒天になるわけ。でもまあそんなもんかと思ってずっとつぶつぶ寒天を食べてたんだけども、ある日のこと。牛乳が100ccくらいしか残ってなかったのね。あれまあと思って仕方なく水で文字通り水増しして、寒天作ったの。したらば、すごいわよ、ちゅるんちゅるん。モデルのような牛乳かんが出来たわけです。寒天には水気が必要でした、ハイ。

教訓はただひとつ。レシピ見ろ。以上。

 

うめざわ

コーヒーゼリー(無糖)と牛乳寒天(無糖)を合わせて、練乳かけて食べたの、おいしかったなあ。固形カフェラテ。

 

レモン哀歌

きのう10月5日が、レモンの日だったようです。
高村光太郎の妻、智恵子の命日にちなんで。


「かなしく白くあかるい死の床」
「トパアズいろの香気」
「すずしく光るレモン」

感情を抑え、遠い日のことのように
淡々と語るような書きぶり。
そのぶん、そのときの感情が
瞬間凍結されているのがわかる気がする。

 

レモン哀歌 

そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなりに止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう

 

高村光太郎 『智恵子抄』より「レモン哀歌」

https://www.aozora.gr.jp/cards/001168/files/46669_25695.html

 

その最後の日、死ぬ数時間前に私が持つて行つたサンキストのレモンの一顆いつかを手にした彼女の喜も亦またこの一筋につながるものであつたらう。彼女はそのレモンに歯を立てて、すがしい香りと汁液とに身も心も洗はれてゐるやうに見えた。

 

高村光太郎智恵子抄』より「智恵子の半生」から抜粋

https://www.aozora.gr.jp/cards/001168/files/46669_25695.html

 

うめざわ

それじゃ私は割り切れないの

西野カナとかGReeeeNのついて、「あれは世の中の最大公約数だからね」っていう友人の言葉に深く納得した。そうなんだよね、なんであんなの流行ってんの、ってイライラっとするのは、私がそれで割り切れないからだ。
みんなすっぱり割り切れてるのに、私だけ1とか余る。そりゃムキーってなるよね。やめてよ、気持ち悪い!って思うわな。

 

 

世の中はとにかく最大公約数でできている。

非現実的な理想論をいうならば、全員の欲望にフルで答えるためには「最小公倍数的なサービス」を作らなければいけない。けれど実際には、予算とか技術とかいろんな都合があって、ほとんどのサービスは「最大公約数を担保する」感じで作られる。

だから、ぼくらはいつも、世の中が提供するものに、どこかしら不完全性を感じる。

脳だけが旅をする: みんなで幸せになろうよ

 

うめざわ

※AKBが目指しているのって、最小公倍数的なアイドルかしら。最大公約数的なアイドルは、誰だ、福山雅治とかか?ん?

いい人はたいてい優秀

「いい人はたいてい優秀」。

うん、書いてみてもおなじ。ぼくは本気でそう思っている。「いい人ならば信用してよい、いい人ならばたいてい優秀だからだ」。

手塚治虫のジャングルの相関(脳だけが旅をする)

まちがいない。ちなみに「優秀な人はいい人」じゃあない。仕事のできる人を目指すんじゃなくて、つねにゴキゲンな人になるのが一番の近道だ。

 

うめざわ 

※たしかほぼ日だったと思うんだけど、バイトで来てたお兄さんにおつまみの買い出しを頼むと、いつも妙にセンスがよくって、そのまま気に入られたって話を思い出す。おつまみのセンスがいいって、それって超優秀だよね。