やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

ぜんぶこいつが悪いんだ

なにか嫌なことがあって、

もしそれをうまく処理できなくて気持ちわるいなら、
対処法は簡単。
 
悪の親玉をでっちあげればいい。
 
諸悪の根源はこいつ!
こいつのせいで、私はつらい!
こいつさえいなければ幸せだったのに!
って思えばいい。
 
誰かの顔が思い浮かんだら、ぜんぶその人のせいにすればいいし、
それがいなかったら、政治とかマスコミとか時代のせいにすればいい。
それもむりなら、自分の運を嘆け。
何かの暗黒組織の陰謀に巻き込まれたとかでもいいよ。
 
とにかく真っ黒くて、こっちのことなんか一切考えてなくて、
完全な巨悪。
 
そうやって巨悪を想定すると、
もちろん、怒りはわく。
なんだけど相手の立場とか気持ちとか、
そんなのはないから、ただただ怒りまくればいい。
 
で、相手は巨悪だからね、
こっちは何したって無駄なんだ。
ぜーんぶ無駄、なんにもできない、しなくていい。
 
そこまでいくと、とっても楽。
 
いいかどうかはべつにして。
 
うめざわ
※「わかってるよ!」はわかろうとしてない