やどかり

昼のお星は目に見えぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(金子みすゞ)

ぎゅっと固めた無知は、強さ

知らないっていうのは、強いんだ。

ちょっと腕におぼえがあると過信するからね、
あの山くらいいけるわ、って思うわけよ。
自分の手持ちの装備品でね。
その山がどれだけ深くて高いかも知らないからね。

知ってたら、怖気づくよ。
けど、知らないから突っ込めるんだ。
で、突っ込んでいって、愕然とする。

わたしは、ぜんぜん知らなかった。
知ってたら飛び込まなかったなあ。
まったくもって太刀打ちできないもの。
無知を集めて固めると、強さになるんだけど、
その強さは「知」によって一瞬で崩れる。

意気揚々と分け入った山で、
見たことのない生きものたちに圧倒されて
早くも遭難しかけているけれど、
それでもなんとか生き延びるために草をはむ。

そしたら、その草がびっくりするくらい甘かったりね。
え、この草だけで生きてけるわ、って感動する。

で、そこへどこからともなく仙人が現れて、
この草は魔除けになってな、とか解説してくれるわけだ。
なんでその効能があるかわかるか、と聞いてきて、
私は頭をひねるんだ。

知らないっていうのは、おもしろい。

 

うめざわ

※情報過多。なんだけど、もっともっともっと知りたい。